ICI療法 ED治療薬

バイアグラの作用

勃起は陰茎内の海綿体に多量の血液が流入することで起こります。
勃起していない時は、海綿体に繋がる血管は筋肉の収縮によって閉じられている為、
海綿体に血液が流入できなくなっています。
ここで性的興奮を受けると脳が陰茎内にその信号を送り、海綿体の筋肉が緩み、
動脈の血液が海綿体に流れ込んで、勃起が起こるというメカニズムです。

 

また、勃起時には海綿体から静脈に血液が流れ出る血管は圧迫されており、
血液が流れ出にくいようになっている為勃起状態が維持できます。
性的興奮を受けた際に体内に放出する化学物質がNO(一酸化窒素)です。
勃起障害は何かしらの原因によってNOの放出が少ない為に起こります。
NOの作用によって細胞内の血管収縮剤の役目を果たすcGMPの量を増やし、
このcGMPがシグナルとなって陰茎海綿体の平滑筋を緩めるのです。

 

ただし、このときPDE-5(ホスホジエステラーゼ-5)が作用すると細胞内のcGMPを分解してしまい、
海綿体に血液が適切に流れず勃起現象を妨げてしまうのです。
バイアグラはこのPED-5の働きを抑制する作用があります。
そしてcGMPの量を増やし、勃起障害(インポテンツ)を回避するのです。
ただし、バイアグラは精力剤でもなければ性欲を起こす薬ではありません。
また、あくまでも性的な刺激を受けて興奮して初めて効果のある薬なのです。

バイアグラの服用 

バイアグラには、1錠につき主成分であるクエン酸シルデナフィルの含有量が、25mg、50mg、100mg
(海外のみ。海外で販売されている100mgのバイアグラは日本人には効果が強すぎるという理由で
日本では未承認医薬品となります。日本では100mgのバイヤグラは処方されません。)が存在します。
通販や個人輸入などで入手することができます。
バイアグラと同じ成分のカマグラ通販で購入できます。
カマグラ100mg(カマグラゴールド100mg)もありますが、
日本人には多いので量を調節しながら飲む必要があります。

 

いずれの場合も一日に服用するのは一錠のみに限り、
次回の服用までに24時間以上空けなければなりません。
服用量を増やしても、副作用が増えるだけで、
勃起改善作用を期待できない場合もあるので注意が必要です。

 

バイアグラは、性行為の1時間前に水で服用するのが一般的です。
効果発現時間は、個人差がありますが、空腹時であれば服用後3〜40分程度で効果が発現し、
およそ5時間程度持続します。
食事の影響を受けやすいですので、最大限に効果を実感したい場合は必ず空腹時の服用が重要です。
この効果発現時間内であれば、性欲が高まった場合、何度でも勃起作用が出現します。
しかし、薬の作用には性欲を起こす効果はなく、あくまでも性的刺激を受けることによって、
効果が実感出来ます。

バイアグラの副作用

薬には効果があると同時に副作用も存在します。
バイアグラの重大な副作用には、以下のものが報告されております。

 

・高血圧の治療薬として用いられる硝酸薬(ニトログリセリン)との併用による急激な血圧低下
・持続勃起症(プリアピズム):4時間以上の痛みを伴う勃起が一度も萎えることなく継続した状態
・突発性難聴

 

これ以外の副作用には、主な症状には下記のものがあります。

 

・頭痛、ほてり、顔面潮紅、鼻づまり・のぼせ・発疹
・目の充血、めまい、血圧の急激な低下、動悸、頻脈
・視覚異常:青視症など
・彩視症、光視症:まぶしい、かすむ、青くみえる
・胃部不快・消化不良

 

元々バイアグラは、狭心症の治療薬として用いられていた経緯から、
他の狭心症薬との併用は禁忌です。

 

バイヤグラの副作用は、効果が低下すると同時に徐々に治まり、消滅します。
万が一長時間副作用が続くようなら、急いで医師に相談するか、診察を受ける必要があります。
服用中の薬がある場合は、併用禁止の薬がある為、必ず薬品名が分かるようにしたうえで、
医師に相談しましょう。

バイアグラの本物と偽物の見分け方

バイアグラを入手する場合、医療機関を受診することに抵抗を感じる、
薬代が高額なため少しでも安く抑えたいなどの理由から、
インターネットを介した個人輸入を利用する方が増えつつあります。
こういった個人輸入は安価で手軽だというメリットはありますが、リスクも存在するのです。

 

最近、インターネットでバイアグラの偽物が出回っているという話をよく耳にします。
あるサイトによると、インターネットで出回っているバイアグラの半分以上が偽物という表記もあるほどで、
正規品を手にすることが難しくなっている状態です。
海外の調査では偽物のバイアグラには医薬品成分以外の異物が混入しているだけではなく、
全く異なる医薬成分から覚せい剤、さらには正規品と似せるために
プリンターのインクを混ぜるようなことまであるといいます。

 

生産は不衛生な場所で行われ、これらの偽物を服用してしまうと、EDの治療はおろか、
様々な副作用の恐れがあり、最悪な場合は死亡に至るような健康被害が出るケースも考えられるのです。
偽物のバイアグラは10種類以上あり、本物そっくりに作られている為、
見た目には判りづらいといわれています。
違いの判断基準の一つに水に溶かすことだといわれます。
正規品は2分ほどで崩れて砂状に溶けてしまいますが、偽物は10分たっても原型を保ったままだったり、
不純物が流れ出たりする場合があるそうです。

 

しかし、これはあくまでも目安であり、次々と見分けがつかない巧妙な偽物が出てくるでしょう。
そのため、個人輸入を利用する場合には安全性を保証した信用できる業者を見つけることが
必要だと言えます。
値段の安さだけで業者を選択するのではなく、口コミやホームページの表記なども確認することを
おすすめします。

バイアグラの値段

バイアグラは国内で購入する場合の価格は、25mgは1錠で1300円前後、
50mgは1錠で500円前後となっています。
保険適用がされないので、全額自己負担で、しかもこれに初診料や診察代が加算される為、
経済的負担は大きい治療だと言えます。

 

保険が適用されない理由として考えられるのは、EDは生活の質を上げる治療であって、
治療を受けなくても命にかかわるわけではなく、世間的にも”病気”という認識が無いためです。
そのため、販売元で金額を付ける事ができ、病院や薬局ごとに値段にバラツキがあります。
よって治療を受ける際は、事前に価格体系を調べると良いでしょう。